ハンディのある人との『筆談コミュニケーション』

自閉症、ダウン症、重度心身障害の人たちの豊かな内面と出会えます

筆談援助者勉強会in大阪 2022年末その前にno.1

 

 

 

筆談援助者勉強会in大阪 2022年年の瀬

第42回筆談援助者勉強会in大阪開催(2022年末)の前に、他府県から参加の、小学生TU君の親子(以前に2回参加)から、手紙が届きました。前回の勉強会で、勇気を貰って帰っていただきました。今回はサポーター大人筆談ユーザーさんへの「質問状」がきました。勉強会への参加の意欲と意気込みに、主宰として何かお返しのお土産?!を考えました。

 そこで事前に、七野主宰の「ゆうゆう・ことばの教室」でセッション(勉強や余暇活動や心のケア・筆談)をしているメンバーにお願いして返事を書いてもらいました。当日参加できないメンバーは、TU君に想いを馳せながら、精一杯の表現です。この事をを通して、逢えなくとも繋がっているとわかることで、どれだけ勇気と支えになると感じました。

  当日は、オブザーバーに記録を取っていただき、ユーザーさんでパソコン入力の得意なNAさんに、逐語録をつくっていただきました。

  まずは、事前のやりとりからブログに載せます。順次、勉強会ライブのやりとりをお伝えします。筆談・指談は、『』で示します。文字変換はできるだけせずに、原本そのままです。必要な時は、かっこ()で内容に加筆しました。

 

TU君(小5)からの手紙

『七野先生 こんにちは

ぼくは人生について かんがえています。この先どんなふうに生きたいのか。ぼくの体とたましいは こんなにもバラバラで のんびり生きると たましいがたいくつするし、たましいがたのしいことは 体がいうことを聞きません。この先はテクノロジーが ぼくの体をたすけてくれるかな。

ぼくらみたいな 知的におとっていると思われている人にかんするけんきゅうは 科学的に証明しにくいから あとまわしだよね。

 このまま たましいにつらい想いをさせるのは 体がかなしむよ。

こんなふうに思って居生きてるのは TUだけじゃないよね。

 たくさんいけんをききたい。そうすれば たましいがなっとくできるかな。

 大人になってるみなさん おしえてください。体とたましいをバランスとれなくてつらいとき どうしていますか。 TU。 おわり。』

 

TUくんへ、MOより 指談

 『TU君 こんにちは。わたしは、MO(20代)といいます。

 TU君は、一日のうちどんな時が好きですか?

 たとえば、学校とか家とか外とか買い物とか どんなことをしている時が 自分で、一番輝いていると思いますか。

 私は、テレビが好きです。家にいて、テレビでいろんな事を知ることが出来ます。

私は、からだがうまく動かないので、自分でどこかへいくことは出来ませんが、みんながいろんな所へ連れて行ってくれます。

いろんな人が、私を知ってくれて、私を知りたいと思ってくれます。

どんなことが好きか、どんなことをしたいか、何もしゃべれないから、知りたいと思ってくれています。

 家や七野先生とは、筆談でしゃべりますから、たまにそういう人に手紙を書いて、自分が知っていることや、しりたいことしたいことを書いて、お知らせします。

 人は人のために役に立ちたいと思いますから、きっと TU君のまわりの人も、TU君がどうしたら、楽しかったり,やりたいことをできるのか 考えてくれるでしょう。

 学校の先生やヘルパーさんやまわりの人も、きっとTU君に、毎日元気でたのしく充実した毎日を、おくってほしいと 思っているので、どんどん書いていってみたらいいと思います。

 笑顔が出にくいなら、感謝をほかの形で伝える事もできますから、やってみてください。

 TU君が、いい人たちにかこまれて、少しでも悩みがなくなるといいですね。

(ここまで、一気に指談をされたので、七野から「ではTU君に一言!」とお誘いすると、筆談で書いてくれました)

(TU君へ一言)TUくん人生はたのしい  MOより』

 

年の近い筆談ユーザーさんがいると聞いての返信

 『ありがとうございます とても楽しみです。

6年生になかまがいるの。手を持って筆談のお話ししてみたいな。いつか。

会えなくても きもちがわかる友だちがいるって知れて 勇気がぬぬぬと出ます。いろんな人のことも知りたいです。 TU』

 

U君へ、NA(20代)より 筆談 

 『NAは、そこまでふかく考えたことがないです。

なぜそう考えるのか、NAにはわからないけど、長く生きていれば、いろんな事があるし、いっしょうけんめい、いきていけばいいと おもうよ。』

 

TU君へ、AO(20代)より 筆談 

 『まず、ぼく(TU君)のがんばりを、わかってくれる人を見つけてください。そして、イヤなことは、その人に聞いてもらいましょう。

 ちょっと、リラックスする方法も 見つけましょう。

僕は、お母さんとお父さんが、いつも味方なので、安心です。

そして、好きなことを見つけて、一緒にたのしみましょう。

 学校は、勉強するところだから、頑張ってね。

 僕も、頑張ってきました。難しかったり、イヤになっても、出来ることを一生懸命していくのが 大切です。

おうえんしています。

(TU君に一言) がんばれ AO

つづき:つらい気持ちが聞こえてくるようで、僕もいろいろ思い出したよ。』

 

TU君へ、KOより 

 『おかあさんを助けるために 生まれてきたのですので、まだ自分がどう生きたいかは 考えたことがないです。(バランスがとれない時は)動くままにしています。

(たましいにつらい思いをさせるのは、体がかなしむよ)心はかなしいけど、その時は泣きます。泣いた後はスッキリします。

 どういきたいかは かみさまが おしえています  KO 』          

 

 これらのおたよりと情報を持って、勉強会に臨むことにしました。

加えて、参加予定の筆談ユーザーさんにも、事前に質問状をメールしておきました。

 当日は、複数回参加者の方々で、更に様々な考えや思い、または思い出話から、生きるヒントとエネルギーをもらう時間となりました。

 続きをお楽しみに。