ハンディのある人との『筆談コミュニケーション』

自閉症、ダウン症、重度心身障害の人たちの豊かな内面と出会えます

一人ひとり違う事は、当然なのに、、、!

 

 

 月1回筆談・指談のコミニュケーションツールを使いながら、最近の関心事や生活の様子、更に心のケアのセッションをしている、高校生とその親御さん、支援者/七野の会話です。

彼Yさんは、支援学校高等部在籍、音声言語のコミニュケーションが困難な自閉症の青年です。

 

最近読んだ、X(Twitter)のHさんの文章で、『僕の場合は、身体の横揺れの時と縦揺れの時は、それぞれの気持ちがある』と書かれてあったのです。母は、Yさんに「どうなの?」と質問しました。

指談で即、『Hさんとはちがう!』と返答。

 

「そうだよねぇ。Hさんも僕の場合はって、言ってるもんね。なのに、自閉症児を持つ多くの親は、みんなそうなんや!!って思うんだよね」

こんな話しをしていた時、Yさんは、何か伝えたいと手を鉛筆を持とうとする形にして、七野の方に向けました。

『』はYさんの筆談、書かれたそのままで漢字かな交じり文です。「」は、母または七野のセリフ、()は、その時の状況です。

 

Y『ろんより、しょうこといわれます』

母・七「そうねぇ❣」

Y『しょうことして、Yがいます。』『HさんとYは 自閉スペクトラム症といわれる、しょうがいをもった成人と青年です』『年令はちがうけど、同じと思われているのは、ちょっとYとしてはいいたくなることがあります』

『ぼくには、よくうごくのう(脳)があります。ただし うごきすぎることが おおいです』

母「そうやね、まさしく」

 

Y『Hさんはそれをコントロールして ゆっくりというかふつうのひとのペースにもっていけます。』

『Yはときどきくるハイペースとローペースを、しょうずにはスイッチできません』

『それだけでも 自閉スペクトラム症というひとどうしでも ちがうんです』

母「きょうは、えらい漢字が多いねぇ」

 

Y『努力もあるでしょうけど それだけでは かちとれないことです。』

 

(一息入れて、さらに)

Y『のう(脳)はもっとけんきゅうされるべきです。しっかり かがくしゃが けんきゅうすべきです』

 

 小学生の高学年に相談に来られた頃から、Yさんは宇宙や科学実験(ロウソクの科学)に興味を持っています。彼にとって、代弁してくれるHさんの存在は頼もしい反面、自分独自の感覚や考えを改めて考える機会になっていると思います。

能登半島への想いを綴って

 

Sさん(40歳代後半)、新しい事業所でのお仕事や生活リズムに馴染み、職員さんも御本人の様子に合わせながら、活動に参加が続けられるよう、工夫してくださっているこの頃です。

 月1回のセッションでは、最近の出来事やその時に感じた事・考えた事が筆談・指談で話されます。

 今回は、あけましておめでとうございます!から始まり、能登半島地震の話しになりました。

 親御さんは、社会の様子に関心を持っている息子さんを、改めて大人だねぇと感心されていました。

さらに、自分には何が出来るのかとか、もし自分だったらと思案されます。

そのやりとりと一部です。

筆談は、S:で、母:は同行している母親、七:は援助者の七野です。平仮名を漢字に変更しているところはあります。

 

S:あけましておめでとうございます。今年は、びっくりな1月1日でした。

七「能登半島の事?」

S:そうです。地震です。

母「特に気にしていない様子でいて、知ってたのね」

S:ぼくは神戸にいて何もしてあげられないけど、七野さんはどうしたらいいと思いますか?

S:もし、反対に神戸が地震になったら、ぼくはどうしたらいいのかも知りたい。

七:「元自衛官のお笑いやす子ちゃんが、『日常を送れる方はいつも通り、今皆がいる場所で精一杯日常を生きるのが大切かも、まずは自分の生活を丁寧にすること、そして義援金!』と話したよ。そして、私が考えるには、働いていない子どもは祈る事、暖かい場所で眠れますように、ご飯が食べれますようにって」

(そんな話をしました。)

 

S:ぼくは働いているので、(事業所への)利用料を引いて、のこったお金は全て、義援金にします。

(本人の想いに応えるべく、母親は、確実に寄附になる所へ義援金を送る事を約束しました。)

 

S:ぼくは恵まれているんだよね。おうちが壊れて住む所がなくなったり、お金もなくて困っている人がいる。ぼくは、働く所もあるし、寝る所もあるんだよ。

 

七:「石川県産の魚や商品を買って、協力する方法もありますよ。」

 

S:ぼくは食べる事は出来るから、(石川県産の)さかなとか買うのはいいことだと思う。

 

母:「石川県さんの魚探すわね!」

 

S:(新しく行っている)事業所は、とてもいい所です。だからずっと行きたい。

いいところは、僕をちゃんと大人として関わってくれるんです。

このたび、石川(県)の地震の後も、いろいろ僕に話してくれて、一緒に頑張ろうなっと言ってくれるので、安心です。

(以前、津久井やまゆり園の事件の後、怖くて門を閉めたくなった。それで前事業所のゲートをすぐに何度も閉めようとして、こだわりと思われた、エピソードがある)

 

S:お正月はお祝いする日ですけど、この日に地震という大変な思いをした人達がいると思うので、(七野)先生が言うように、

『いのります(力強く大きく書く)』

(地震にあった人達に向けて)元気にすごしてください。助け合ってください。

 

その後、母と指談。

S:ぼくは、石川県に行けないので、代わりに行って助けてあげてください。(これは、七野にむけてだろうか!?)

 

以上。

 

追記:

さらに、30歳代の筆談ユーザーさんとのセッションでも、地震の話になった。(筆談援助者勉強会in大阪でユーザーとして、筆談練習のボランティアをしてくれている)勉強会に参加をしている方が金沢に住んでおられる事で、想いを寄せ、その方へ心配と励ましの手紙を書くことになった。

 

天災や世界の紛争等、社会の事へ関心を持って、市井の人々への心配と温かい眼差しが感じられたやりとりを体験させてもらった。そのセッションに居られたことを私が感謝している。

 

 

筆談勉強会 3/31 in 福岡 

        お知らせ!

 

  筆談援助者勉強会📝

日 時 2024年3月31日(日) 10時~15時30分

 10:00   参加者は別室にて座学や筆談の練習

    筆談ユーザーさんは自分の

    好きなことでゆっくりタイム

    (スタッフが一緒にいます)

 12:00  昼食(多目的ルームにて)

    12:45  筆談ユーザーさんとの筆談練習

 15:30  終了

会 場  宇美町立中央公民館 

                                   2階多目的ルーム

      糟屋郡宇美町平和1丁目1-1

参加費  5,000円  当日払い

                              (筆談ユーザーさん以外)

講 師  筆談援助の会 七野友子

備 考  動きやすい服装・お弁当持参🍱

                  施設内飲み物自販機あり

     近くにコンビニ等なし

駐車場 公民館の並びにある図書館の横🅿

申し込み先     

    hitsudan2022@gmail.com 白石洋子

 

私達の筆談は、触れていることで伝わってくる何かを、共に共有しようとしています。何か分からなくても、何かザワザワしたりウキウキしたりの感情は伝わります。そこから始めると、相手を深く知っていけると思うのです。

筆談勉強会では、文字として思いを書けることにこしたことはなくても、一緒にその場で感じて「ここに居る」安心感や自己承認感の体験を大切にします。
それは、より穏やかに生きるエネルギーになるでしょう。
是非 一緒に学びましょう。
(七野さんの大阪での勉強会案内文より抜粋)🌺

筆談・指談を日常に

今回のエピソードは、筆談・指談(以後 指談)が、こんな使い方をすると家族にとって本当に役立ちツールになるという、エピソードです。

登場人物は、高校生のK君と、歳の離れた義理の兄です。文章は、療育者のシチノです。

 

 兄は、2年程前から、K君と筆談の練習を始めました。療育の日に同行して、生活の中で必要に応じて、K君とやりとりをチャレンジしてきました。

家族のイベントはいろいろあって、母の日や父の日のプレゼント作りは学校や放課後デイサービスでも取り組んでもらっています。感謝の想いを形にして渡す事は、経験しているのです。

それならば、母(ママと呼んでいます)のお誕生日という特別な日にも、きっと想いを伝えたいだろうと、兄は考えました。

 去年は、誕生日プレゼントなにかしたい?!あったら、言ってね!と、筆談で聴いてみることにしました。しかしK君は、何も答えずその場を離れたのです。

兄は、まだK君とコミュニケーション取れてないのかなぁと感じ、一緒に散歩したり食事したりの日々を大切に過ごしていました。

 

 今年も、ママの誕生日が近づいてきました。

再チャレンジ!

一年を経て、兄とK君の関係は、確実に深まっています。時にママには言いにくい事も男同士として、指談するようになっていました。

(兄の台詞は「」、K君のは指談は『』)

 

「今年のママの誕生日、プレゼントする?言ってね。ママには内緒だよ」と。すぐには返答なしです。

しばらくしてからの療育の日、K君が車から降りません。(療育は、K君・ママ・兄はが参加)

ママが先に降りて待っている時。車の中で、K君が兄に指を出して、指談の合図をしました。

『ママのお誕生日考えたよ』

「なに?」

『お花。買いに行きたい』

兄は一計を案じ、ママに「K君と買い物に行きたいから、デイサービスのお迎え行って買い物にいきます」と言って、2人で花屋さんに行きました。

「どんな花がいい?」

『黄色い花!』

お店の方に聞くと、黄色いカーネーションと黄色いアルストロメリアがあります。

(花ことばを後で調べると、黄色のカーネーションは、美と母を慕う素直な気持ち、黄色のアルストロメリアは、長い時を一緒に過ごしてきた愛しい人に送る!ピッタリ!!)

花束とケーキを持って家に帰り、サプライズでお祝いをしました。

 その時の事を、後で話してくれました。

『とても嬉しいことがあった。(ママの誕生日に花束を贈った)』

『ことばでは言い表せないから、お花にしゃべってもらった』

横でママも素適な笑顔で聞いていました。

指談というコミニュケーション

ツールを手にいれた家族のしあわせエピソードでした。

 

追記

ママは最近、今までと違い『黄色』の色に意識や視線がいくことが多くなっていたといいます。K君には、直接話したことはないけれど、生活の中で気づいてくれていたのかなぁと感じて、

ママが「以心伝心やなぁー」って言うたら、K君は、ニヤリとしていました。

 

 

 

筆談勉強会 in 福岡 

8月11日、ユーザーさん2名、母2名、学生1名、渡辺、白石の7名での集まりとなりました。

 

☆T君(高校生)学生との練習(ユーザーの手の上に手を重ね支える)

学生は大阪での筆談勉強会にも参加したことがあり、とても意欲的である。

 ※青字は筆談

ひらがなカード

 まずは文字をみながら、一緒に書く(文字のみのカード)

 ⇒スムーズに書けることもあるが、T君はかなり手に力が入りやすいようで、ぐちゃぐちゃな字となると学生も書けたという実感がもてない様子。書く文字以外の動きにいかないように張り合ってもらう。

・これはなんでしょう?

 絵(例えば 車の絵)が描かれたカードの上に一文字だけひらがな(車なので『く』)のカード。

 ⇒一文字ではなく、『くるま』とみてわかるほうが、お互いに安心して取り組みやすいかもしれない。

・食べ物絵本

 この中で好きな食べ物は?

 ⇒「たいやき」と書き、おいしいよね、私もすきだななど話が広がっていた。

 T君の、支えてもらいながら書き上げた時のやり遂げた表情、勉強するよ!次は?というやる気満々で私をみつめる表情が頼もしかったです。

   

☆H君(25歳)

鉛筆を持ったときから緊張で身体中に力が入いっているので、マットに移動し、渡辺と身体のやりとりをする。

 

しばらくして筆談を始めると、「T君と話したい」とのこと。

ちょうど、T君も白石と「H君大丈夫かな?」と筆談していたところであった。

机を向き合わせて話を始めた。

途中、

T「たいやきすき?

 さっき話してたんだよね。好きなら今度一緒に食べたいね。

H「すきじゃない。あんぱんならいいよ

 思わず笑ってしまうやりとりでした。

 

しばらくしたら、H君が涙を流しながら声をあげて優しく泣き出しました。

T「かなしいの?

H「ちがう、うれしいの

T「なきたいときはなけばいいよ

分かってもらえるって嬉しいよねと、私ももらい泣きしちゃいました。

 

2時間は、あっという間に過ぎました。

後日、感想をもらいました。

T君の母

2時間ほどの 勉強会でしたが 久しぶりで懐かしく思いました。
気持ちを出すことの葛藤や言えない気持ちが出せた瞬間を 間近に見てこちらもぐっとくるものがありました。
人は誰でも気持ちを持っていて 折り合いをつけながら過ごしているけど 一人ではどうしようもない時は助けてもらう 応援してもらう場は必要だなと確信しました。
ありがとうございました♪

H君の母

筆談勉強会ありがとうございました。予想してしまってた通りのHくんのドキドキに対する行動と私のそれに対する感情でした。
関心を持って参加して頂いた学生さん、素敵な方でしたね。
TくんもHくんのことを気にかけてくれてるのがすごく伝わってきて、頑張ってくれてて、ありがたかったです。
学生さんと筆談体験できたのかな?
ほんとにまた参加してくださると嬉しいですが…そして、理解して下さる方が増えるとありがたい。
Hくん、久しぶりに泣けてましたね。最近落ち着いてるようにはしてても、やはりいろいろな気持ちを伝えられたり、Tくんとか友達と会話が筆談でできる時間が作れると、ほんとうによいなと思います。
参加して嬉しかったと思います。動きはすごかったですけど、あの場所と時間はHくんと私にとって、大切です。
帰りはホッとしてか、寝てました。
白い紙にむかって鉛筆を持つことの難しさを4年ぶりに体験しました。
Hくんも言ってましたね。こわいみたいなことを…私もです。
筆談サポートがもう少し自信もってうまくやれたらと毎回感じます。
久しぶりに筆談勉強会を開いて下さり、感謝しています。またの機会をドキドキしながら楽しみにしています。

渡辺

4年ぶりの筆談勉強会でした。H君もお母さんも緊張した感じでの参加で 会場も初めての場所でしたので それも含めた緊張感もあったと思います。それぞれの挨拶前から何度も落ち着かなくお気に入りのバックを持ってドアの外に帰りたがりました。
机に向かっての筆談が始まりましたが H君もお母さんもドキドキした感じで伝わって来ましたので まずは
今の気持ちを聞いた方が良いかと思いの筆談をしました。筆談を進める中で 身体の固さを感じたことから
事前に用意しているマットへ移動して身体伸ばしでのキャッチポールと呼吸合わせをしながら歩調合わせでした。歩調が合った感じになって 再度筆談の席に。
H君の気持ちが身体から溢れるように筆談の文字に現れました。
T君との対面での筆談対談では 久しぶりの気持ちを打ち明けるのに怖さと勇気とワクワクした感じで身体とこころでぶつけて来ていました。その中で 白い紙に書く時と何回か書いた紙に書く時との抵抗感が違うことに体から伝わって来ました。白い紙に書く勇気が彼の中では怖いものがあると思い 書いた紙に続けて書くことで少し安心感を感じて筆談対談ができました。4年ぶりの出会い 想い なかなか会えない人 繋がりの中での深い願いを感じてH 君はこころからT君の言葉を噛み締めるように涙が溢れていました。
その瞬間 瞬間で身体の固さが抜けていっていました。        渡辺千秋

 

学生さん(帰りの反省会にての一言)

「ワンチームでしたね!また来ます!」

 

と、とてもいい表情の彼女でした。

学ぼうとする思いが伝わってきて心強かったです。

T君と筆談練習しているときに、大阪では「相手の手に添うだけでいい」と教えていただいたけれど、一人ひとりの寄り添い方は違うんですね。と、大事なことに気づいていました。

 

          (しらいしようこ)

 

 

 

2022年末 第42回筆談援助者勉強会in大阪 当日のやりとり④/4

【午後③】

(話題が広がりそうなので、MiTさんの質問状に戻るよう、提案をする)

七野:「ユーザーさんみんなが、地域の小学校5年生の時 どうでしたか?」

 

KiN:ボクが5年生の頃はいつも見守ってくれていた。(支援学級の)先生が助けてくれて、ボクがクラスの一員として居させてくれました。

 

七野:「お母さんからは どんな感じにみえた?」

 

KiNm:「N先生 5年生までは見てくれていたんです、6年生で変わってしまって。KiNと関わっていくうちに、もっとこういう子どもたちと関わりたい、支援学校の先生になりたいと思うようになり、支援学校の先生に代わられたので。 その先生がいる間は もう すごくうまくクラスに どうやったら KiNがなじめるかというのを考えてやってくれていたので よかったです」

 

NaY:学校のころは、(支援学級の先生に)いつも守られていました。

 

NaYm:(3年から6年まで 同じ先生だったんです)

TaM:「ありがとう ありがとうのことばを言おう」(みんなのやりとりで思わず心の声が音声ででた)小学校はクラスに戻ったら TaMは、みんながシーンとしていたら、声が出て みんながほほえむ。ちょっと、おちゃめなやくわりでした。

みんなの中にいることで、できないことのつらさも、言いたいことも言えない、そんなボクでしたが、たいくつな時は あたまの中は、好きなことばでうめていました。

 

TaMm:「いつも じっと出来るように いろいろ好きなものを持たせたりして みんなの中にいながら この子の存在を認めていってもらうみたいな感じだったかなと。 一緒に、その場でみんなとかけ離れたことはありましたけど、その中で 居させてもらえるっていうのだけで良いのかなという感じだった。できることは お友達と一緒にさせてもらった。

語彙力とか言葉のイメージ力とかは そこで頭の中にいっぱい、いろんな言葉で埋め尽くしてきて 今いろんな言葉で溢れてるのかなと思う。」

 

KiR:私の5年生の思い出は、1泊(宿泊学習)旅行です。どんなに お母さんが心配してたかと思っているけど KiRは楽しみでした。KiRの体は なかなかむずかしい(体調調整の特徴)ので、先生にわかってもらえるように お母さんは、いっぱいしゃべりました。

今頃ですけど、感謝しています。1泊にみんなで行けて、本当に良かった。KiRは いつも色々(体調管理)ややこしいけど、元気でいれるのは、ママの力です。

 

KiRm:「事前に(学校や宿泊する所)行って、おフロの入り方、魚の食べ方など、あいさつまわりをした。」

 

MiTm:「この子は コロナで林間学校は宿泊無しの日帰りだったから 安心している部分と 5年生で楽しい思い出を作ってあげられなかったのが 気の毒でも有り、複雑な思いをしていた。」

 

MiT:日帰り 安心感があった。

 

NaY:知っているよ、お母さんは安心して見送ってくれた。

コロラド(NaYさんの地域では、寄付のあった10年間以上、ハンディを持つ小学校高学年児童のコロラド旅行で乗馬やハイキング体験ができた)も行っていたので。

 

NaYm:「いい先生がついててくれてるという安心感があった。」

 

KiR:MiTくん コロナで 色々 遠足や旅行できなくて残念だったね。でもね、これからだって まだまだ仲間を作るチャンスがあるよ。健康が一番です。

 

MiTm:「MiTが投げかけた言葉に みんながこんなにいっぱい返してくれてありがたい。」

 

七野:「MiT君の発言からいろんな話が出来て。(みんなの発言が)それぞれの経験がつまっていて。30代、20代 それぞれの時代の想いが詰まってるね。」

 

この後、一人ずつ横になり身体を伸ばしたり縮めたり足や腕を自由に動かすのを、参加者が寄り添ってリラックスタイムとして、ユーザーさんのサポートをねぎらった。以上

 

至る所に、優しさの会話があり、わかってもらえない悔しさもあり、更に、親や支援者への感謝を率直に語られた時間となった。

お読みいただき、感謝します。

2022年末 第42回筆談援助者勉強会in大阪 当日のやりとり③/4

【午後②】

七野:では、MiT君の質問状について、ご意見お願いします。

KiN:(すぐにペンを持って書き始めた)KiNは、なぜかいつもKiNのことを理解してくれる人がいるから、今までそこまで(質問状のような事)考えてきたことがありませんでした。

MiTくんのまわりの人は、MiTくんを理解してくれる人が いないのですか?

MiT:たいちゃん(幼友だち・幼稚園で)が文字板を使ってあそんでくれたの。うれしかった。

NaY:仕事(筆談)をするのが良いです。しっかり、することです。(僕が)子どものころは、仕事(筆談)がしたかったです。しっかり、(筆談で)おはなしをしたかったです。

いつも お母さん してくれていてましたが、(小学校の)先生ができませんでした。先生とも、おはなし したかったです。K先生(小3から)は、良い先生でしたが、書けませんでした。

KiR:ここでは書いてお話しすることが、あたり前ですが、KiRの事業所さんは、はっきり(ことばで)言うように、言われます。

でも、KiRは にこにこしているので、みんなは、やさしく してくれます。いやなこともあるけど、笑顔は、KiRが一番大事にしてることです。どうですか?(他の筆談ユーザーさんに向けて)

TaM:TaMは、MiTくんのように大人の考えをもつようになったのは、最近です。

肉体は、あらうまの様に、あばれますが、タマシイを操縦するのは、乗り手の自分です。だけど、どんなにあばれても かなしい思いをしたりしても、タマシイは、くさっていない。でも、今いろんな今をやりきることで 輝けるタマシイがあるんだよ。

 

KiN:お母さんとお父さんをえらんで、生まれてきたのだから、ボクの人生は もうかがやいているのです。いろんなことをケイケンしても 身体がうまくコントロールしない時も、ボクは、いつも味方してくれる父さん母さん そして 先生やスタッフや しんせきのみんな。

自分に期待して 生きていいんだよと言いたい。ずっと ずっと 前からそのことはわかっていた。

 

MiT:KiRさんに(笑顔を大切にしていることについて)全くそうだ。

TaMさんに。(これは MiTの意見だが) タマシイの頭と、身体のアタマは 別の世界にありますが、この地球でであった。

七野:「そしてTaM君がうまれたと(いうこと)?。」

MiTm:「別々の所にあるから、 別々のことをしちゃうのか~!」

(なんだか、納得できるような!?)

NaY:(笑顔については)ぼくには 笑顔がつくれません。

七野:「Moさんの文章の中にも 笑顔って書かれていましたね。Moさんも笑顔がすてきな方なんですけど (その文章は更に続けて)笑顔が出来なくても、表情が出来なくても 他の伝え方があると思うよっていう あの一文はすごいなと思った」「彼女は KiRさんもそうだし、Moさんも 笑顔がいろんな事を語ってくれるんだけどやっぱり出せない子もいるんだって事を知っているなあって。他の形で伝えることも出来るって言っているから」

MiTm:「MiTも 泣きそうになる時ほど 笑っちゃうと言ってます」

NaY:ぼくには 笑顔がつくれません。笑顔、ボクにはできません。

しかし、ボクには しごとは事業所しかないです(事業所がありますってこと)。

七野:「仕事をしっかりすると言うのは 事業所の仕事ね?」

NaY:そうです しっかりやりたいです なかなか新しい事をやらせてくれません。

しっかり(新しい)仕事したいです。

(NaYさんは、笑顔で周囲が配慮してくれるという話しから、ご自身の気になっているステップアップしたいと考えている仕事の悩みの話しに、話題が移りました。)

NaYm:「(この話しは)結構 ずっと前から言っていて。でも、なかなか生産性ということになると、出来るのをやって下さい という形になってしまうんやでと言われてて。」

七野:「就労支援B型で(NaYさんの事業所は)かなりお給料をもらえる仕事だと聞いているしし、一般企業と同じ広告欄にに名前を連ねて仕事されているので 確かに効率とか生産性とかになるよね。」

NaYm:「でも そんなに仕事がしたいんだ(この場で改めて、息子の強い思いを知る機会となった様子)」

七野 :「言い続けるしかないね。ボクにもさせてって。」(NaYさんは、事業所の仕事への思い入れが今かなり強いようでした。この場があったので、改めてハンディ者が仕事をするという事の大切さを教えてもらいました。)

MiTm:(このやりとりに呼応するように)「いつのタイミングだったか? 学校で 話しあいの授業で いつもMiTの存在が居ないみたいに どんどん(学校での話し合いが)進むのが 消えてしまいそうになる。ボクにも意見があるんだよっていうのをもっとアピールしたいっと。」

MiT:学校で MiTの存在が全くない様に、授業がどんどん進んでいく…… 。

NaY:クラスのことは 支援級で 話してもらえないんですか?

しっかり意見を言いたいと思います。クラスの1人です。それを言ったらどうですか。

七野:「ボクもクラスの一員だよってね。言っていこう。」(本当に伝え続ける事は、大切と感じた)

 

KiR:(KiRさんが意見を言いたい様な表情で、司会者七野を見るので、横に座っていたKaさんに筆談援助をお願いする)(筆談援助者 Kaさん)お母さんのことが・・・ かかわることが お仕事ですが、ずっと?――――――――――――――――

(援助者交代 七野) お母さんだけに たよってられないこともあるよ。それは、事業所さんに行っている時、学校で勉強している時、いつもがんばって 1人で自分を守ってあげないといけないとき、いっぱいある。だから、私は笑顔です。

 

七野:「自分を守るための笑顔ね」

NaYm:「さっき MiT君が 話し合いが始まってウロウロしていた時にNaYが書いたのが、

ウロウロしている時は、いっぱいいろいろに言われて(座りなさいとか落ち着きなさいとか) ツライよね。だったんです。」