ハンディのある人との『筆談コミュニケーション』

自閉症、ダウン症、重度心身障害の人たちの豊かな内面と出会えます

Sさんの特別支援高等学校への進学に向けて

2018.11.4   Mさん(高校1年) Sさん(中学3年)

 

Sさんは前回から今回の間、学校の標語の最優秀賞に選ばれたという話(標語:困ってる?そう声かけて助け合う)、高校面接で学校が気に入って進路が決定、漢字検定も、前はテスト用紙を破ってできなかったのが、今回は頑張れたなどなど

S:おかあさんと頑張って、ここまでこれたって思えます。この間はありがとうございました。

M:よかったね。私も全く同じです。私は(中学より)高校の方がもっと自由で楽しいです。

S:そうなの。それはいいですね。私も高校はいい感じでした。行ってみてここならやれそうって思いました。先輩は何が一番楽しいですか?私は中学で皆と別れたくないです。

M:お母さんとやってきて、今は落ち着いていますが、つらい時でも、学校の友達は安心でした(母:小学校1年から一緒だからね)。だからお別れは嫌です。新しいことは楽しみ半分、怖さ半分ですね。でも、きっといいことがいっぱいあるよ!

S:そうですね。期待より、怖さの方がいつも大きいです。きっといいことがいっぱいあるって言われると、少しほっとします。お母さんがいつもそばにいて助けてくれるからなんとかやれてきました。でも、だんだんにお母さんがいなくても頑張れる自分になりたいなあと思います。

M:すごいね! 私はダメです。お母さんが大好きでお母さんなしなんてやれません。

(安富歩氏の「依存できた時、人は自立する」という話をする。依存先が多ければお母さんだけに依存しなくてすむ、という話)

S:そうなんだ。どこかで、頑張って一人でやるのがいいことだと思っていたけれど、ちょっと違う感じがしました。お母さん以外にも助けてもらう人を増やすってことだね。

M:お母さんを中心に周りにたくさん人がいてくれればいいんだね。

(Sの母:学校で何をやっているのか聞きたいのではない?)

M:勉強もあるけど、実習が楽しいよ。(Mの母:部品の組み立てとか楽しいのかな?)

 今やっているのも嫌じゃないよ。Mは仕事の練習です。だって、お仕事の練習と思うと、こうやってお仕事ちゃんとやりたいって思うから、嫌じゃないよ。嫌じゃないけど疲れることもある。

S:お母さんは心配して、次々にいろいろ考えてくれています。今は、その通りにやればいいかなと思うけど、先が見えなくてどうなるかな?とドキドキします。先輩は先のことはみえてるんですね。

M:私は、きっと先のことまで、今やっているような仕事をするのかなと思っています。学校を卒業したら、皆と別れても、新しい仲間ができて、仕事をやりながら楽しくやっていけそうです。

S:お母さんも私も高校が今は考えるのが精一杯なんですね。私は学校に行ってから、また見えてくるものがあるのだとうと思いました。ありがとうございました。まずは、高校に行ってみます。

M:ありがとうございました。私は姉妹がいないので、すごく嬉しいです。仲良くしてください。

S:私も嬉しくて、嬉しくて、同じ苦しみがわかってる人と話ができて、しかも先輩だし。よろしくお願いします。

(Sの母:SちゃんはMちゃんがいるK高等部にいけないのか?と言っていた)

M:そうだったらどんなに嬉しいか でも、ここで会えるから嬉しいです。