ハンディのある人との『筆談コミュニケーション』

自閉症、ダウン症、重度心身障害の人たちの豊かな内面と出会えます

2022年末 第42回筆談援助者勉強会in大阪 当日のやりとり③/4

【午後②】

七野:では、MiT君の質問状について、ご意見お願いします。

KiN:(すぐにペンを持って書き始めた)KiNは、なぜかいつもKiNのことを理解してくれる人がいるから、今までそこまで(質問状のような事)考えてきたことがありませんでした。

MiTくんのまわりの人は、MiTくんを理解してくれる人が いないのですか?

MiT:たいちゃん(幼友だち・幼稚園で)が文字板を使ってあそんでくれたの。うれしかった。

NaY:仕事(筆談)をするのが良いです。しっかり、することです。(僕が)子どものころは、仕事(筆談)がしたかったです。しっかり、(筆談で)おはなしをしたかったです。

いつも お母さん してくれていてましたが、(小学校の)先生ができませんでした。先生とも、おはなし したかったです。K先生(小3から)は、良い先生でしたが、書けませんでした。

KiR:ここでは書いてお話しすることが、あたり前ですが、KiRの事業所さんは、はっきり(ことばで)言うように、言われます。

でも、KiRは にこにこしているので、みんなは、やさしく してくれます。いやなこともあるけど、笑顔は、KiRが一番大事にしてることです。どうですか?(他の筆談ユーザーさんに向けて)

TaM:TaMは、MiTくんのように大人の考えをもつようになったのは、最近です。

肉体は、あらうまの様に、あばれますが、タマシイを操縦するのは、乗り手の自分です。だけど、どんなにあばれても かなしい思いをしたりしても、タマシイは、くさっていない。でも、今いろんな今をやりきることで 輝けるタマシイがあるんだよ。

 

KiN:お母さんとお父さんをえらんで、生まれてきたのだから、ボクの人生は もうかがやいているのです。いろんなことをケイケンしても 身体がうまくコントロールしない時も、ボクは、いつも味方してくれる父さん母さん そして 先生やスタッフや しんせきのみんな。

自分に期待して 生きていいんだよと言いたい。ずっと ずっと 前からそのことはわかっていた。

 

MiT:KiRさんに(笑顔を大切にしていることについて)全くそうだ。

TaMさんに。(これは MiTの意見だが) タマシイの頭と、身体のアタマは 別の世界にありますが、この地球でであった。

七野:「そしてTaM君がうまれたと(いうこと)?。」

MiTm:「別々の所にあるから、 別々のことをしちゃうのか~!」

(なんだか、納得できるような!?)

NaY:(笑顔については)ぼくには 笑顔がつくれません。

七野:「Moさんの文章の中にも 笑顔って書かれていましたね。Moさんも笑顔がすてきな方なんですけど (その文章は更に続けて)笑顔が出来なくても、表情が出来なくても 他の伝え方があると思うよっていう あの一文はすごいなと思った」「彼女は KiRさんもそうだし、Moさんも 笑顔がいろんな事を語ってくれるんだけどやっぱり出せない子もいるんだって事を知っているなあって。他の形で伝えることも出来るって言っているから」

MiTm:「MiTも 泣きそうになる時ほど 笑っちゃうと言ってます」

NaY:ぼくには 笑顔がつくれません。笑顔、ボクにはできません。

しかし、ボクには しごとは事業所しかないです(事業所がありますってこと)。

七野:「仕事をしっかりすると言うのは 事業所の仕事ね?」

NaY:そうです しっかりやりたいです なかなか新しい事をやらせてくれません。

しっかり(新しい)仕事したいです。

(NaYさんは、笑顔で周囲が配慮してくれるという話しから、ご自身の気になっているステップアップしたいと考えている仕事の悩みの話しに、話題が移りました。)

NaYm:「(この話しは)結構 ずっと前から言っていて。でも、なかなか生産性ということになると、出来るのをやって下さい という形になってしまうんやでと言われてて。」

七野:「就労支援B型で(NaYさんの事業所は)かなりお給料をもらえる仕事だと聞いているしし、一般企業と同じ広告欄にに名前を連ねて仕事されているので 確かに効率とか生産性とかになるよね。」

NaYm:「でも そんなに仕事がしたいんだ(この場で改めて、息子の強い思いを知る機会となった様子)」

七野 :「言い続けるしかないね。ボクにもさせてって。」(NaYさんは、事業所の仕事への思い入れが今かなり強いようでした。この場があったので、改めてハンディ者が仕事をするという事の大切さを教えてもらいました。)

MiTm:(このやりとりに呼応するように)「いつのタイミングだったか? 学校で 話しあいの授業で いつもMiTの存在が居ないみたいに どんどん(学校での話し合いが)進むのが 消えてしまいそうになる。ボクにも意見があるんだよっていうのをもっとアピールしたいっと。」

MiT:学校で MiTの存在が全くない様に、授業がどんどん進んでいく…… 。

NaY:クラスのことは 支援級で 話してもらえないんですか?

しっかり意見を言いたいと思います。クラスの1人です。それを言ったらどうですか。

七野:「ボクもクラスの一員だよってね。言っていこう。」(本当に伝え続ける事は、大切と感じた)

 

KiR:(KiRさんが意見を言いたい様な表情で、司会者七野を見るので、横に座っていたKaさんに筆談援助をお願いする)(筆談援助者 Kaさん)お母さんのことが・・・ かかわることが お仕事ですが、ずっと?――――――――――――――――

(援助者交代 七野) お母さんだけに たよってられないこともあるよ。それは、事業所さんに行っている時、学校で勉強している時、いつもがんばって 1人で自分を守ってあげないといけないとき、いっぱいある。だから、私は笑顔です。

 

七野:「自分を守るための笑顔ね」

NaYm:「さっき MiT君が 話し合いが始まってウロウロしていた時にNaYが書いたのが、

ウロウロしている時は、いっぱいいろいろに言われて(座りなさいとか落ち着きなさいとか) ツライよね。だったんです。」