ハンディのある人との『筆談コミュニケーション』

自閉症、ダウン症、重度心身障害の人たちの豊かな内面と出会えます

お母さんからみた筆談

息子さんが支援を受けている横浜市のある事業所の会報誌に寄稿されたものをご紹介します

 

「出会った相手が自分の運命」、

本当にそうだなあと思います。

どなたの言葉だったか失念しましたが、人生は出会った相手によって大きく変貌してくものなのでしょう。

 

息子との出会いによって、私の人生も一変しました。

いろいろな事が通り過ぎ、血の涙を流すような思いもしましたが、

奇跡をかいまみたような瞬間もありました。

奇跡とは大袈裟ですが、しいて言うならばそれは筆談との出会いだったかも知れません。

 

言葉で表現出来ない息子が筆談を介して最初に書いた文字は

「いつも くろうかけて すいません」・・・・・・でした。

ともすれば

人としての感情を持ち合わせてないのかと、息子を疑いたくなるような日々もありましたが、この一言で全てが変わってしまいました。

嬉しかったけれど、・・・・・・悲しかった。

知っているようで何も知らなかったから。

全く何も解っていませんでしたから。

 

筆談という出会いは、

導師(メンター)という存在も呼び寄せてくれました。

27歳ではあっても幼児のような言動をとる息子に

「峻ちゃん、人生ってさぁ~」と

悩み多き人生についてのアドバイスを正面から真摯に語りかけてくれる先生。

いいなぁ~。

こんな人をずっと待っていたような気がする。

そして、10年経ても尚、その素敵な師弟関係は続いています。

 

明日の出会いが何かを変えてくれるものであるなら、

全ての出会いが僥倖となるよう願わずにはいられません。

                 山田峻介(母)