ハンディのある人との『筆談コミュニケーション』

自閉症、ダウン症、重度心身障害の人たちの豊かな内面と出会えます

日常会話の筆談 銀から金の人生へ

202x年夏 MAさん  

10年以上通所している事業所が新築されました。ユニバーサルデザインに則った建物になったようです。ご本人の感想を聞きたくて質問しました。

続いて最近の様子を聞くと、気になっていることわざについてや、気になるご自分自身の行動について言及されました。目新しい本やチラシは、他の方が持っていても見たくなって、黙って取ってしまいそうになることは、「またやってしまった」「一言言えばいいのに、行動が先に出てしまう!」と、本人にとっても困り事になっています。そんな、振り返りをしながら、普段の仕事の話しもします。

こんなふうに、筆談が、ごく普通の日常会話として使える日が、他の方々にもきてほしいと願っているというのが、今回ブログに載せた意図です。

 

MAさん:()は援助者の質問や補足

ちょうど新しい施設のこと、聞いてもらえてよかった。

フラット(床が)って言うけど、枠があって気持ちわるい(下足する場所の玄関床の色が、違っている事)。

何が新しいかっていうと、建物だよ。

(少し間があって、話題が変わる)変えてほしいことがある。A(事業所)の作業時間、長さ。ビーズ(ネックレスや小物キーホルダー作品作業販売)は集中できたらいいけど、気になることがあると席を立ちたくなるから、1回立ち上がっても、また集中できるようにして、ビーズは続けたい(立ち上がると支援員さんはもうしたくないと判断されて、作業は休憩になる)。

(新しい事業所の建物の話に戻る)皆さんのことを考えて(車椅子対応ができるように、段差をなくしたなど)新しいB (施設)になりました(はじめに本人の感想をストレートに話したけれど、考えてみればバリアフリーだなあと気がついて、思いを追加する)。

(この後、よく読んでいることわざ辞典の中で、ふと浮かんだ文言が話される。聞き手なりの解釈は()の中)

悪銭身につかず。正しく働いてお金を得る方が、しあわせになるってこと。(ビーズ作りそのもの!)

口も八丁手八丁。おしゃべりな人は、手もよく動くということ。(ご自分の事を、褒めている!?)

泣きっ面にハチ。大事件があったのに、その後またイヤなことがあるってこと。(気になってふと立ち上がって制止されたのに、触っては困る物を手に取って、更に止められた)

ほんまは(本当は)、止めてほしいと想います。 急がば回れ。(見たい物がある時は、まずことばで尋ねてからした方が、手に入りやすい!)

「喉元過ぎれば、、、(音声で)」どんなにつらいことでも、一瞬過ぎれば 忘れる。

ほしいものは勝手に取ると、かえさないとダメになるけど、待っていたら、貸してくれるかもしれないってこと。(間髪入れず、書き続ける)できたら苦労しない。

今は銀。これから、金の人生を送れるように精進します。

(それには何が必要?)

落ち着いて行動する。貸してください。見せてほしい。

MAとかあさんが、元気に生きること。

MAの心はいつもちゃんと言ってる(貸して見せてなど)けど、声になる前に行動してしまうので、

みんなもMAも困っているのです。

ビーズは、MAのやっと手にした職です。

これからも続けていきたいです。

                  以上